愛知支部長の前川理有子です。

子育ての醍醐味の一つである「読み聞かせ」。私も子ども達が幼かった頃は毎日読み聞かせをしていました。ところが彼らが大きくなるにつれ、毎日の慌ただしさにかまけてだんだん読むことが少なくなってしまいました。このままフェイドアウトかなと思っていた矢先に転機が!今また幸せな読み聞かせを満喫しています。

きっかけは1月に全国で開催された早期英語教育研究会のワークショップです。絵本を使って気軽に「お家で英語」を始めようという内容で、愛知支部でも行いました。どの絵本を紹介しようかとあれこれ本棚から引っ張りだしている時、どの絵本にも思い出が詰まっていることに気付きました。表紙を見るだけで、子ども達の小さかった頃の笑顔やその時交わした会話等が頭に浮かんできて「子どもが大きくなったからとこの楽しみを手放すのはもったいない!」と思えてきました。
とはいえ我が家の長男は小学校中学年。少々大人びてきた彼がどんな反応をするのか検討もつきません。ドキドキしながらも、以前お気に入りだった絵本を探し出して読み聞かせてみました。すると思った以上に楽しそうに聞いてくれて、心配は杞憂に終わりました。それどころか高校生になった長女も横で聞き入っていてびっくり!子ども達は小さい頃に読んでもらっていたことを覚えていて、絵本にまつわるいろいろな話をしたり、好きだった絵本を出してきたりと、期待していたより楽しい時間を親子で過ごす事ができました。こうして我が家の読み聞かせが再スタートしました。
さすがに絵本ばかりだと飽きてしまうので、息子の好奇心をくすぐるような本、面白い小説も読むようになりました。読み終わってから、本の内容について一緒に調べる日もあります。そうやって読み聞かせを楽しむうちに、読み聞かせは「小さい子どもとお母さん」だけのものではなく「思春期にさしかかろうとしている子どもとお母さん」にも意味があるアクティビティだと思うようになりました。

息子は成長に伴い、親とは違うことに興味を持ち、違う世界を持つようになりました。それを頼もしく思う反面、少し寂しく思ってしまう時もあります。トレードマークの「オシャベリ」がなりをひそめはじめ「何を考えているのかな?」と思う場面も出てきました。見えない溝を感じると不安になってしまいます。親の不安な気持ちは、自立していこうとする子どもの足かせになり得るのは分かっているのに。そんな状況の中、読み聞かせが私達の距離を縮めてくれることに気付いたのです。小さい本を一緒にのぞきこみ、同じことで笑い、疑問を持ち、一緒に感動し・・・・・・様々なことを話すことによって、息子の新しい一面を発見したり、反対に何も変わってないなと安心したりもしました。そしていつの間にか漠然とした不安は消えていました。これが、読み聞かせは「思春期にさしかかろうとしている子どもとお母さん」にも有効だと思うようになった理由です。
読み聞かせで時間と話題を共有し、息子の今をよく知ることによって、見えない溝なんかに支配されずに、安心して彼の手を少しずつ離していけたらいいなと思っています。

読み聞かせをする度にNPO法人早期英語教育研究会の「マザーレボリューション」ロゴを思い出します。幸せな大人を育てるために「保護者様も幸せでいて欲しい」という研究会の願いがこめられたロゴです。まだ御覧になったことがなかったら、ぜひこのサイト内にある「まずはここから!気軽にスタート『お家でえいご』」のお知らせを見てください。「ハートの中で穏やかにしているお母さん」が見つけられると思います。毎日忙しいお母さんがいつもこのような表情でいるのは難しいことだと思いますが、それを英語教育を通してサポートできたらと研究会は考えています。

読み聞かせには、お母さんが心安らかでいられるようにする力があると思います。読み聞かせを再開して、それが小さい子どもを持つお母さんに限らないことも分かりました。
「読み聞かせは卒業した」方も、もしかしたらまたこの力に助けられるかもしれません。
再スタート、してみませんか?