こんにちは!北海道支部長のリサです。

EEYCでは、現在、小学校教科書研究報告会を開催するなど、日本の英語教育に貢献するべく活動しています。
私自身は民間の英語教室を運営しているので、普段は公教育とは少し違うフィールドで英語教育をしています。
民間の英語講師が、なぜ学校の英語教育にこだわるのか?と思われるかもしれません。
そこで、今日は私がEEYCで活動したいと思った理由を、中学に入学した頃の思い出話と一緒に綴らせてください。

それでは、早速。

私は子どもの頃、学校の先生が言うことは正しいんだと思っていました。だって「先生」なんだもん。
だから、先生に対して「うるせー!」と悪態をつく多感な同級生に「先生にそんなこと言っちゃだめよー。あんたはまだお子ちゃまなんだからね。」と、おばさんみたいなことを言う真っ直ぐな子でした。

そんな私は、中学に入学した当時、英語が学べる!ということをとても楽しみにしていました。
「3年間、先生の言う通りにちゃんと勉強をして、絶対英語を喋れるようになるぞー!」とそれはそれは意気込んでおりました。
授業も(英語だけは)一生懸命きいたし、単語も覚えたし、(英語だけは)テストではいい点が取れていたけれど、
先生の言った通りに勉強しても喋れるようにはなりませんでした。はて…?

1年…2年…時間が経つうち、だんだんと心配になってきました。
あのー、そろそろ私、中学卒業してしまうんですけど…。
英語ってそんなに習得に時間がかかるものなのか、私の頭が悪いのか…。

困った私は、職員室にいる先生に相談しに行きました。
「英語の成績はずっと5だし、先生の言う通りに勉強しているんですけど、英語が喋れるようになっていません。なにが足りないんですか?」

すると、先生は言いました。
「喋れるようになりたいの?じゃあ、英会話学校にでも通ったら?留学までは考えてないでしょ?」

えーっと…え?

『シャベレルヨウニナリタイノ?』



センセイ、ソレ、ハジメテシッタノ??

… せ、先生!言っておきますが、我々は皆 シャベレルヨウニナリタイ に決まっています!!
読み書きはできるようになりたいけど、喋れるようにはなりたくない生徒とか聞いたことないですし!

みたいなことを言おうと思ったんですが、そこで初めて知ったんです。
そうか。先生は、私たちが英語を喋れるようになるための授業をしていなかったんだ。

「最初にそれ教えてくれよ!そしたら英会話通ったのに!」

私は、その時の絶望感のような怒りのような「騙された!」みたいな混乱した感覚を今でも鮮明に覚えています。

「喋れるようになることを目指してないならALTの先生はなぜいるんだ?」とか、また新たな質問が湧き出るのを必死に抑え、奥歯を噛み締めながら、世界一小さい「アリガトゴザイマシタ。」を言い、職員室をあとにしました。

これは、かれこれもう20年ほど前の話なんですが、その当時の先生に悪気があったとは思いません。
むしろ、私も英語講師の端くれとして日本の英語教育の実情をちょいとばかし深く知れるようになった今は、学校の先生には尊敬の念しかありません。
それは本当。
厳しい現実と向き合いながら試行錯誤を続ける、優秀で生徒想いの先生がたくさんいらっしゃるのは事実です。
でも、それは今の私が思うことであって、子どもの頃の私はそう思わなかった。
シンプルに「先生、うそついた。」そう思いました。
今の子たちには、そんな風に思ってほしくないのです。

本当は、英語教室やインターに通った子だけが英語を喋れるようになるのではなく、学校の授業で英語が喋れるようになるのが当たり前になるべきだと思っています。
中学に入学した頃の私は、それを信じていたし願っていました。

They don’t deserve this.
これ、いまいち上手く日本語に訳せないのですが、この気持ちが、私が英語講師を続ける大きな理由の一つであり、EEYCで活動したいと思った理由です。

公教育とか民間の教室とか関係なく、子どもからしたらどちらも同じ「英語の授業」。
「英語の授業」と聞いて、当時の私のように「喋れるようになりたい!」とか「楽しみだなー!」とかドキドキ・ワクワクしながら待ち望んでいる子は今もたくさんいるはずです。